第三世界ジャーナリストを目指す
平賀緑 広島県東広島市西条町出身
平賀緑の原稿集
第三世界ジャーナリストを目指す

英語で出版されたもの
広島原爆投下50周年によせて

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香港の日本軍占領跡を訪れた日本人たち

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中国移民に大きな障壁の香港教育制度

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希望と正義を歌うフィリピンの活動家たち

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日本語で出版されたもの
7月1日へのプレリュード: 香港返還直前事情

私たちは商品じゃない: 香港の外国人家事労働者の苦しみと闘い

香港英字新聞記者一年生

経歴


香港から南アフリカまでランドローバーで旅をする、この突拍子もない計画を聞き「行きたい!」と第一声をあげたとき、私は車どころか運転免許すら持っていなかった。

キースの答えはきっぱり「ノー」。若すぎる、経験が足りない、実力もない、ましてや女性だから身の危険を守りきれないと、もっともな理由で却下され、私も一時はあきらめた。仕方がない。実際そうなのだから。

それでも冒険への思いは捨てきれず、ましてや単なる大陸横断から途上国の食糧・環境・開発問題の調査と報告、インターネットを使った教育、世界中からの参加などなど企画が大きくなるにつれ、話を聞きながら私はこれだけの機会を逃すことにがまんができなくなっていた。断られてから半年後、私は企画に参加するために克服する項目、自分が企画に貢献できる項目を書き並べ、女性だからダメだというならば偽装なり性転換なりをしてでもこの冒険に参加したいと書き認めた提案書をキースに送りつけた。数々の話し合いの上でようやく企画に「挑戦する」許可を得たが、参加できるとは未だに言ってもらっていない。まずは運転免許の取得から、私はこの冒険に挑み始めた。

もともと広島の片田舎であぜ道を歩きながら登校し、両親が耕す家庭菜園の野菜を食べて平凡に育った女の子だった。場所がら原爆や戦争の話を聞く機会や、時代からカンボジアやアフリカの飢えた子供たちの写真を目にする機会も多かった。幼いながらに核戦争の脅威におびえ、中学時代には犬養道子の『人間の大地』(中央公論社1983年初版)を読み感銘を受けたりした。

その後、高校時代にアメリカ・ミシガン州に留学したり、自由放任な大学で学生新聞会に加わったり東南アジア近代史やコミュニケーションを学ぶ中、新聞社や国際機関で働くことを目指そうと思ったこともある。でも何かが違う、自分は本当にこの道を目指したいのか。机上での勉強は得意だったものの、管理された教育プログラムから解き放された途端に行く先を見失い、大学卒業時点でも自分が何をしたいのか自信がなかった。

幸いロータリークラブの奨学金をいただき、1994年7月に返還直前の香港にやって来た。香港中文大学で普通話を学びながら、新聞学部の教授に頼み込んでジャーナリズムのクラスを受講させてもらい、留学終了後には現地の英字紙『ホンコン・スタンダード』に記者として採用してもらうことができた。

香港はいろんな社会問題の縮図のような所。狭い領土に極端な資本主義が急激に発達したため、大きく開いた貧富の差や、大都心と取り残された辺境のギャップをはっきり見ることができる。しかもイギリス植民地から中国主権下に返還される直前で慌ただしい。そんな香港社会を新米記者としてかけずり回りながら、学生から年寄りまで、香港人から大陸中国人、フィリピン、タイ、インドネシアなど近辺諸国から出稼ぎに来た人たち、労働者から金持ちまで、様々な人に出会い様々な人生を垣間見ることができた。

それでもなぜ新聞記者をしているのか、どこかまだ吹っ切れないものが残っていた。社の方針や編集長との意見相違などから、わずか一年あまりで退社。残ったのは挫折感と将来への不安だけ。

そのころ、スタンダードで知り合ったキースと話していたとき、「僕は第三世界ジャーナリストだから」と言われ、目から鱗が落ちた気がした。政治や経済の動きを追うだけが記者じゃない。新聞社で原稿を書くだけがジャーナリストじゃない。そんな当たり前のことがわかっていなかった。アパルトヘイト政権下の南アフリカで、白人でありながら黒人向け新聞で働いたり黒人音楽家のプロデュースを手がけたり、その後一貫して世界の食糧・環境・開発問題に取り組むジャーナリストとして活動してきたキースの話を聞き、自分の目指す職業をようやく見いだしたように思う。

その後、途上国問題やジャーナリズムについて学び始め、この企画に関わってからはビーチハウスで畑を作ったり堆肥づくりを学んだり、ランドローバーの簡単な整備に悪戦苦闘したりしながら、まだまだ道は険しい。めまぐるしく変化する香港社会に私も翻弄されながら、わずか数年の間に住まいを8ヶ所、職場を4ヶ所、渡り歩いた。自分の無知と能力の限界、そしていつまでも初心者気分に甘えたい自分自身との闘いだった。自分に打ち勝てたかどうか、まだ結果は見えていない。


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